ウェブマーケティングという茶番
- 作者: 後藤晴伸
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2016/09/02
- メディア: 新書
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ウェブマーケティングなるラベルの介在するところに、うさんくさいものが入り混じっている直感や不要に不快になることは時々あって、そういったところに対して何かスカッとした気分になれるものでも書いてあることを期待して手に取った。総じて期待とは違っていて、著者が同業者への不平を漏らし続けるのを眺めることになるのだが、コンテキストを僕が持っていないのが悪いのかもしれないが、それっぽく数字が出ている割に具体性、論理性が欠けていて、誰が悪いとも言い切れない情報が繰り返されるのが辛くなって途中で読むのを止めた。
語気の強い文章の繰り返しから鬼気迫る空気感に、何か悪そうなことが横行しているのは伝わってくるのだが、本質的な判断が出来ないまま人々がウェブマーケティング?なるものに取り巻いているに過ぎないように文面からは受け取れた。人が人に何かを依頼するどんな場面でもそうだけど、そのウェブマーケティングというのはふわっとしていてちゃんと扱える人がそんなに居ませんという状態のよう。ウェブっぽい仕事に就くようになって10年近くになってもウェブマーケティングが直接的に何を指すのかがわからないままで、これはこれでいいのかという気持ちにならないこともないけれど、プロダクトやサービスに対しての流入をどうやっていきましょうかって話じゃないのかな。
くるりのこと
- 作者: くるり,宇野維正
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2016/09/16
- メディア: 単行本
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とにかく良かった。贈ってくれた @asonas 、ありがとう。
アーティストによる自著ではなく、第三者が語るものについてはファンなのか友人なのかジャーナリストなのかよくわからない観点に対してもやもやして読むのを辞めてしまうことが体験があったのだが、本人たちの語っていることがほとんどを占めているおかげかするすると読み進められた。 ひとつだけ気になったのは、誰が何を喋っているかがわからずに混乱しやすいこと。著者が面々の発言の隙間を埋める中で「岸田が語る」、「佐藤が言う」みたいな繋ぎ方で終えて、次の発言者を示すものだから、あれ、これ誰の発言だったっけと数行後ろに戻ることが多々あった。
くるりについては好きな音楽を見つけては追うような年頃のときに触れることがなく、何曲かはフレーズを知っているものの曲名や年代もおぼつかなかったが、かつての同僚が結構ヘビーなファンだったおかげで動機が生まれた。当時の最新作であった、彼らの9つ目となるアルバムが導入となり、見事に本の中でも触れられていた「いつからでもファンが付くような活動の仕方」に助けられていた一人であるのかもしれない。
- アーティスト: くるり
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2010/09/08
- メディア: CD
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実際のところは面食らう曲の多さに、このアルバム以外には何となく覚えていた曲をつまみ食いするに留まっていたのだが、しばらくしてからのライジングサンで24時を回ったサンステージでの出番を前に機材調整で鳴らしたワンダーフォーゲルのイントロがとても気持ち良かったところから全ての曲を追い直した。本番ではワンダーフォーゲルを一切演奏しなくてむずむずさせられたままだったのが原因のように思う。勧めてもらった人とは既に同僚ではなくなっていたのが少し惜しかったので、読了後に連絡をとった。
丘の上の綺羅星
偶然ハンバーガーショップという曲?を聴いて面白く思ったことから、嘉門達夫の曲を軒並み集めて全て歌詞を覚えてしまっていた頃がある。その割に、その歌い手がどんな人であるかをあまり知らなかったので、最近何かの拍子で見かけて読んだ。
- 作者: 嘉門達夫
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/10/08
- メディア: 単行本
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自伝のように紹介されていたのを見て購入に至ったような気がしたが、笑福亭笑光としての修行時代についての話がほとんどで嘉門達夫として動く頃までが述べられており、全体としては「ヤングタウン」についてのアーカイブを意図しているものであるようだった。何もわからずに読み始めた最初の章で出てくる若者は、そもそも嘉門達夫ですらなかったことを次章までわからずに混乱したものの、中盤までの丁寧に書かれた生い立ちや出来事は読んでいて飽きなかったが、終盤にかけて繰り返されるヤングタウンおよび同番組プロデューサーについての話には、世代が大きく離れた人々の思い入れに疲れてしまった。
文中で度々様々な曲の歌詞に出くわすのだが、未だに覚えている替え歌メドレーの歌詞がKindleの上に表示されているのには変な心地がした。巻末にそれぞれの替え歌の元曲の歌詞がまとめられているのは替え歌におけるマナーなのか、著作権上の都合なのかよくわからないままである。
今でも活動しているようでYoutubeなりで観てみたが、子どもの頃何故あんなに嵌ってしまっていたのかはちょっと自分でも理解出来ない。