最低。

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世に出てくる高専卒を追うのがライフワークにあって、文芸でいうと乙一こと安達寛高さん(久留米高専出身)の本を軒並み読んでいた頃から久しく一冊が増えた。ちなみに最近になってコロプラの馬場さんが都城高専出身だったことを知った。

前著の高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職はあまりに読むのに苦労する文面で途中で諦めてしまったのだが、それが前提にあったためか随分と文がうまくなった印象が強かった。どこまで校正や編集でのカバーがあったのかはわからないが、乙一のデビュー作が高専の2年生の夏に書いたものだったことを知った時の驚きに近しい。という意味では著者の人物補正を自分がかけがちで、経歴や実績で人を判断する節が少なからずあるようで辛い。

ただ、アダルトビデオの現場を取り巻く人物や描写の表現について、リアリティがあるのか無いのか判断出来なくて、著者の職業が前提にあると実際にこうなのであろうと信じてしまうのだが、これを匿名や関わりのない作家が書いていたら嘘くさい表現である疑いかねない。何が書いてあるかよりも誰が書いたのであるかが重要となってしまうことを否定出来なくて少し残念に思う。

内容としてはそういう物語があるのかもねと面白がりながら読んだが、不倫とかその辺の描写に自分がめっぽう弱いようで部分的に読み切るのが大変であった。