50: 多分また太りはじめた

 酔うことで連絡を取れるようになる相手がいくらかいる。酔うことで行くことになる場所が増える。

 自身の行動が合致していていそうなのでウッとなる。本当はそう行動したいのだと誰かよくわからない人の発言に納得してウッとなるのは殊更ウッとなる。ウッ。

 酔った人からおもむろに連絡があることを不快に思わず、嬉しく思えるようになることは良い効能かもしれない。普段から連絡してくれていいのにと思うように出来るだけで不快な僕のレスポンスとそれを受け取った人の不快さがどちらも解消されるのでとても良い。

愛情表現手段としての王冠

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 気に入っているうどん屋さんのMayorになりたいという感覚はとても歪んだ愛情の形に見える。期間内のチェックイン数で定量化して、その中でのトップには特別な表示がなされるだけで、店へ対する献身さなのか自己顕示なのか人々がそれを取り争う。こんなに私はあなたを愛していますと云っているように映ってとても面白い。ゲーミフィケーションの範疇なのかはよく知らない(きっとゲーミフィケーションの文脈では愛情という言葉は使われないだろう)が、Foursquareがこうやって新しく生み出したラベルはスポット側からなら集客の枠を、チェックイン側からなら訪問の枠を拡張している。

 少なくとも日本では(スポット側で独自に取り組んでいるものを除けば)Mayorに金銭的な価値はないので、そういうラベルをほぼ無償で生み出せていることはとても凄いことなんだと思っているが似た事例が思い浮かばず整理出来ていない。常連という言葉はあっても1番の常連とか1番のお得意さんとかはおおっぴらに云われるべきではないものに聞こえる。何もないところ(スポットがあるが)に価値が金をかけずにおもむろにそれが生まれている感じは凄い。

 そのうどん屋さんの鶏天ぶっかけうどんは本当に美味しい380円だ。あと30回程で現Mayorとの殴り合いに突入する。2ヶ月中に50回はチェックインしないとその座を奪えないことを知っても折れないか、それを越える程毎日のように歩いてでも食べに行きたいのかを問われて挑戦心を燃やしたり、だって本当に行きたいのだからと本心ぶって見せたりと実に付き合うまでがゴールな人のようで、現実の人物も交際対象候補的な意味でスポットにするサービスを思いついたが男の子牧場の様相である。

 「私はあなたのMayorよ」