創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち

創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち (新潮文庫)

創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち (新潮文庫)

2013年に出ていた単行本を文庫化し、著者の最新作「デスストランディング」に合わせて一部割愛、差し替えが行われたもの。

実況パワフルプロ野球98開幕版に付属していた体験版で初めてプレイしたメタルギアソリッドから今までそれなりに長い小島秀夫のファンであり、電子書籍が無いものの、最新作に合わせて気分が高まり購入。まんまと文庫化の意図に乗せられてしまった。

結局は先にデスストランディングのメインのストーリーを終えてから読み終わることとなってしまったが、改めて著者自身が触れてきて愛情のある紹介がされる映画、小説、訳本、漫画、製品、絵本、アニメの名前を多く知ることが出来て楽しめた。MEMEはメタルギアソリッド2のテーマとなったキーワード、文中では4のセンスを始め、小島作品で用いられた言葉や参照された作品、言及された人物に時折触れられることがあり、理解できる度になんだか嬉しくなった。

差し替えられた「はじめに」「おわりに」「対談」は今回の書き下ろしである故に、デスストランディングへの言及が多く、プレイを経た上で読むと繋がりが見えて面白く、それ以外についてはコナミから独立する前である文のために今では本人が口にすることを避けている節のあるものも見受けられるので逆に新鮮さを楽しめた。

デスストランディングの挿入曲として多く用いられたLow Loarの楽曲をSpotifyで流していたら(特に気に入っているのは作中で最初に自由にオープンワールドを駆け抜けられるところで流れるDon't Be So Serious)、ちょうどアイスランドに訪れて偶然聴いたエピソードに触れられて興奮した。

後で自分で参照するために紹介されていた作品を並べておきたい。