76: 割と色んな畑の人が居る

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高専の後輩が二人、サンフランシスコに訪ねてくれた。一人はロボットを作るチームで一緒だった子で、大学の博士後期過程に居るためか学会発表のためにNapaを訪れていた帰りだという。今では彼が関わった人工衛星がいくつか宇宙に居るらしく、ロボットを作りすぎた果てに成果物が宇宙に行くなんて子どもの夢みたいなものを体現していた。最近はまた宇宙空間での微細なエネルギーによる物理シミュレーションみたいなことがメインらしく、選り好まず気になったものに手を付けて取り組んでいた結果でその姿に至っているのだから素敵だ。偶然にも小・中学校の同級生の弟でもあり、妹の同級生でもあるので、不思議と縁が続いている。もう一人は在学期すら被っていないのだが、ロボットをつくっているチームに遊びに行った時などでお互い顔を見知っており、一人での卒業旅行の旅程中に立ち寄ると連絡を受け、せっかくなので二人同時に近辺を少し案内した。

二人と食事をする中で、自分の仕事について触れた時には、彼らからすると普通に触っているウェブサービスもモバイルアプリも、"何かどこかの大きな会社が作ったシステム"という域を出ていないのが新鮮で、同じ学校で10代の後半を過ごしたとは思えなかった。こういうところで働いて作ってるんだよと言ってもいまいちピンと来ないみたいで、外面的な会話にしかならず、日常で自分が関わっている人たちがいかに偏っているかがわかる。一般的?な会話が出来なくなっていないだろうか。ユーザですら近しい人に寄りつつあったので、そろそろまた大きな括りのユーザについて考えることをしたいと思う節が最近は多い。自分の親に自分の仕事を説明する時に、レシピを見られるあのサービスからクレジットカード決済を人に導入させるというのに変わった話をしたところ、何かよくわからないことに対してあまり聞く耳を持ってもらえなくなってから久しいが、買収元のサービスは自分よりもよっぽど使っている。

そういえば銀行で口座を開設時に、その場でスマートフォンのブラウザからアクティベーションするよう促され操作したらISEが起きた時にそれを見せると、あなたソフトウェアエンジニアなんだから直せるでしょと日曜大工のように言われて、何となく適当にあの辺がわかって対処出来る風に扱われたことを思い出した。僕がバックエンドかフロントエンドかはたまたフルスタックかなんて話は普通はしない。

この楽しい来訪の前にもう一人後輩がサンフランシスコに居るのは捕捉していたのだが、連絡をもらえなかった。秋ごろに会う機会があって出張等でこちらへ来ることは聞き及び、僕が滞在していることも伝えていたので連絡を待っているうちに帰っていくのをFacebookで知ることとなった。今回の二人よりもロボットを組むのに何度も一緒に徹夜をした仲だったのだが、逆に嫌われてしまっていたのだろうかと思うと時間をかける程親しくなるとは勘違いであるとわかる。