52: ティーチングアシスタント以上非常勤講師未満

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 縁あって大学の講義をお手伝いすることになってから1年が経った。昨年度は後期も渡米の間だったので出られなかったけれど、また秋のビザ発給(仮)までの前期の間はお手伝いさせてもらうことになった。週に1度の代返不可能での1限目は学生の頃だったらまず避けるリスク最大の講義だ。集まった数十名の学生さんには頭が下がる。

 昨年とは全く違って桜も散ってしまった国立大通りを歩きながら、大学の門を通るのも昨夏ぶりなので新鮮だなあと思った瞬間に、家庭教師やりませんか!一橋の学生さんなら時給も高いしと初々しめな雰囲気をまとったスーツを来たお姉さんから勧誘を受けた。きっと時給はいまの僕よりも高いだろうと頭の中では引っかかりながら、必要ない的に弾を放ったことを知らせることを優先した四捨五入の上、教員ですと答えたと同時にとても深い礼と共に謝られた。ソフトウェアエンジニアと云ったら謝ってもらえていただろうか。

 講義の後にげんしけんに出て来るサークル棟みたいな建物の前で講義後の手続きに行った講師を待っていると、知らない先生(だと思われる壮年の方)に「おう、久しぶりだな」と声をかけられて同様に謝らせてしまった。

綺麗に食べるモチベーションは食欲じゃなくて綺麗さ

 腰を上げるまでに時間のかかる作業は、あらかた食べ終えた手羽先の骨にまだ残っているいくらかの肉を食べるような気持ちになって、そのまま捨ててしまいたい、残してしまいたいという念にかられる。綺麗に残さず食べなさい、それは食べたとは言えないと母に躾けられたのを思い出す。

 最終的に手羽先を注文しない人生を選びがちだ。

 でも、疲れている時は骨をずっとしゃぶって綺麗にすることだけが唯一出来る生産的なことである場合がある。