48: つくった人を知っているか

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 どこまでサービスに個人情報だったり、生のパスワードだったり流出時に困りそうなデータを預けるかというのは毎度難しい判断を強いられる。勿論預けないことでリスクそのものを追わないという選択肢もありえるのだけど、得られたはずの利便性を同時に失うことが多い。Evernoteに全部書いた人には災難だったかもしれないけれど、そういう情報を書いてしまいたくなるくらい便利な書き込み先であったことも改めて証明されているように見えた。僕も1Passwordに何かあったらひとたまりもない(という発言をすること自体がリスクでもある)。

 マネーフォワードというサービスがある。Mintのように銀行口座などのウェブ画面用のアカウント情報を預ければ、よしなに情報を集めて加工してくれたりする。初めて出会って登録をした瞬間は、本当にクリティカルになりそうな情報を預けられないという判断をして、実際には金銭の出し入れに必要な乱数表がなければ閲覧しか出来ない三菱東京UFJ銀行の情報だけを預けてサービスを試していた。

 加えて、会社情報をみてあまり良いイメージを(具体的に書いてみたがあまりに穿っていたので恥ずかしくなった上失礼でしかなかったので消した)抱かなかったのでそれ以上のサービス利用には及ばなかった。その範囲で得られる恩恵にはかなり満足していたにも拘らずその先には至らなかった。

 ところが、機会があってマネーフォワードの方にお会いして1時間ばかり会話をした後に概ねの情報を預けるという行動に至ったのだ。僕が会社情報から得た印象が全て良い方向へ塗り変わっていたのはその時になってわかった。 (こう述べたこともまたリスクだ。)

 逆の体験もあって、少々顔を見知っている方のサービスに登録して便利だなあという認識をして情報を預けてしまっていたら、利用していること、預けているそれに別の場所で言及されてしまったのはとても不快な思いをした。それからはそのサービスを人に勧めたりしないし、積極的な利用を避けて、対立サービスの登場をあまり喜ばしくない文脈で本当に喜ばしく思った。

 実に単純な思考であまり妥当でないリスク判断をしているのはわかってはいるが、感情として信じられそうかどうかでこれからも判断を続けて、きっと痛い目を見るまではそれを続けるのだろうとも思う。そこの感情は定量化出来るものだろうか。

 情報を託す時にリスクを考えようというどこの大学でもやっていそうなオリエンテーションみたいな内容について書きたいのではなくて、サービスをつくっている人がわかっていることが良くも悪くも影響を持つことが面白いし、自分もまたつくる人間にも立っているので身の振りを気をつけましょうという自戒の話。つくってる人の信用とつくったものへの信用はあまり変わらない。最近冗談でDB入ってよしなに書き換えてやるぜって言ってしまったことへ大きく反省しています。ごめんなさい、もうしません。