76: 割と色んな畑の人が居る

https://instagram.com/p/BCEsjtJrMEj/

高専の後輩が二人、サンフランシスコに訪ねてくれた。一人はロボットを作るチームで一緒だった子で、大学の博士後期過程に居るためか学会発表のためにNapaを訪れていた帰りだという。今では彼が関わった人工衛星がいくつか宇宙に居るらしく、ロボットを作りすぎた果てに成果物が宇宙に行くなんて子どもの夢みたいなものを体現していた。最近はまた宇宙空間での微細なエネルギーによる物理シミュレーションみたいなことがメインらしく、選り好まず気になったものに手を付けて取り組んでいた結果でその姿に至っているのだから素敵だ。偶然にも小・中学校の同級生の弟でもあり、妹の同級生でもあるので、不思議と縁が続いている。もう一人は在学期すら被っていないのだが、ロボットをつくっているチームに遊びに行った時などでお互い顔を見知っており、一人での卒業旅行の旅程中に立ち寄ると連絡を受け、せっかくなので二人同時に近辺を少し案内した。

二人と食事をする中で、自分の仕事について触れた時には、彼らからすると普通に触っているウェブサービスもモバイルアプリも、"何かどこかの大きな会社が作ったシステム"という域を出ていないのが新鮮で、同じ学校で10代の後半を過ごしたとは思えなかった。こういうところで働いて作ってるんだよと言ってもいまいちピンと来ないみたいで、外面的な会話にしかならず、日常で自分が関わっている人たちがいかに偏っているかがわかる。一般的?な会話が出来なくなっていないだろうか。ユーザですら近しい人に寄りつつあったので、そろそろまた大きな括りのユーザについて考えることをしたいと思う節が最近は多い。自分の親に自分の仕事を説明する時に、レシピを見られるあのサービスからクレジットカード決済を人に導入させるというのに変わった話をしたところ、何かよくわからないことに対してあまり聞く耳を持ってもらえなくなってから久しいが、買収元のサービスは自分よりもよっぽど使っている。

そういえば銀行で口座を開設時に、その場でスマートフォンのブラウザからアクティベーションするよう促され操作したらISEが起きた時にそれを見せると、あなたソフトウェアエンジニアなんだから直せるでしょと日曜大工のように言われて、何となく適当にあの辺がわかって対処出来る風に扱われたことを思い出した。僕がバックエンドかフロントエンドかはたまたフルスタックかなんて話は普通はしない。

この楽しい来訪の前にもう一人後輩がサンフランシスコに居るのは捕捉していたのだが、連絡をもらえなかった。秋ごろに会う機会があって出張等でこちらへ来ることは聞き及び、僕が滞在していることも伝えていたので連絡を待っているうちに帰っていくのをFacebookで知ることとなった。今回の二人よりもロボットを組むのに何度も一緒に徹夜をした仲だったのだが、逆に嫌われてしまっていたのだろうかと思うと時間をかける程親しくなるとは勘違いであるとわかる。

ニンフォマニアック Vol.2

Vol.1 を観た後に、薦めてくれた当人は映画館で観て笑いをこらえるのが大変であったということを聞いたからか、ちょっとした描写や台詞に笑ってしまいがちであった。終盤に向かって、序盤よりも性嗜好のマイノリティな要素をうまく散りばめられていて、ジョー自身の異常性よりは人間そのものが多様であることに意識が向くような進行であった。 最終的に綺麗に話がまとまっていったが、時間の流れの割に同じ人物や景色が繰り返し現れるに連れて、思っていた以上に狭い世界の中で出来事のように映り、身近でも幾つも起き得ているかもしれない出来事であるように映った。

最後まで通して話を聴き続けたおっさん、セリグマンの最後の振る舞いと捨て台詞に全てが込められていて、暗転を失笑で迎えた。

hmsk.hatenablog.jp

75: 各食事で調理を評価しない

https://instagram.com/p/BA8FfyULMLw/

作り置きというのを始めた。週末あたりに3,4品が1週間弱保つレベルで調理しておいて、平日は適当に盛り合わせるだけでやっていく。無事に3週目に入り、少しずつこなれて来たように感じるのと明らかに出費が減って、体重減が始まっているのが分かるのでしばらくは続けられそう。インスタントで凌ぐとひもじくなって、作業後に外食もしくは買って帰るとボリューミーみたいな状況が解消された。

ここがアメリカというのもあって、部屋に電子レンジがない(オーブンならあるというアメリカのアパートらしさ)、パンと肉とワインが安い、日本の食材が無いというのもあって、日本語のリソースのものに対して若干工夫というか都合を合わせるのが面白い。白ワインと豚バラブロック(こっちだとスーパーでPork Libで探す)を$15くらいで調達して1週間近く使える豚肉のリエットはもう既に3回作ってレギュラー化していたり、パン(1斤で$2も行かない)は常備して作りおいたものを挟んだり、乗せたりすれば食事みたいなものが簡単に成立する。逆にいわゆる白ネギ等一部の食材にこちらでは簡単に出会えないことや、みりん等日本のレシピにだいたい使いそうな調味料が軒並み高いことを改めて思い知った。

元々は常備菜という言葉を見かけることが増えて、これはおそらく丁寧な暮らし的なやつだと勝手に思っていて、レシピを漁るも本当に菜だけで肉に出会えなかったところから作り置きに辿り着いた。お惣菜も菜だけど肉あるよなって。その名残で、計画を始めた自家esa上のドキュメントは常備菜というタイトルのままだ。

https://esa-pages.io/p/sharing/558/posts/35/d2bd901c9c75e2ac2616.html

当初は猫と暮らしている状況で調理に起因して危ない目に遭わせかねないと避けていた(お湯を沸かす間でさえ傍に来てヒヤヒヤしていた頃があった)現居での自炊だったが、年始だけは作るかと実家のレシピの雑煮の調理に手を付けたら思いの外、猫との関係が前よりも良くなっているのかキッチン周りで余計なことをされず事なきを得て、1年ぶりくらいに調理を楽しんでいる。複数品を同時に調理する作業は都合よく普段の考え事をしている頭を休ませてくれる。